連絡を受けて携帯の引き取りに行ったら、先客が何人か。その中には年配の方もいらっしゃって、順番を待つ控えのブースに納まっていると、その方のお話が聞こえてきたんです。何歳くらいだろう…。70歳代の男性だとは思うのですが…。もしかしたら、もうちょっと上の方かもしれません。
その方のお話は「スマホを持とうと思うのだけど、そもそもスマホとは何ぞや」という内容の質問でした。心の中で、思わず「もしもし、そこのあなた。欲しいと言っときながら、何ぞやって…^^;」。
担当者さん。あきれず騒がず、丁寧に教えて差し上げていました。で、お客様、「なるほど。で、自分は持つべきか?」と聞かれます。私は再び、「それは、お客様が決められることです」と担当者さんの代わりに、心の中で言ってあげました(代わりになってないし…)。
そうとはダイレクトに言えない、たぶん40代の男性の担当者さん。「そうですね~」という言葉の後で、操作性の利便とネックをさらに説明して、「ご自分の使用目的によっては、普通の携帯の方がむしろ使いよい場合もあります」とお話していました。それを聞きながら、「そうそう。連絡手段として使うだけの人には、そうだよね。私だって、おやっと思ったことを索引したり、いくつかブログを覗くほかには、外ではネットはやらないから、考えてみれば充分携帯で用事は済むのよね」と、私は再び心でぶつくさつぶやきます。
「だが、これからはスマホの時代になるから、携帯はなくなってしまうと息子が言っていた。年配だから、くやしいが理解力も若い人に劣る。携帯がなくなってしまってからでは困るから、今のうちに慣れておきたいんだ」と、お客様はさらに言われます。スマホが何かも分からず持ちたいと言われる理由は、それだったんですね。
たぶん私と同じく、その一言で持ちたいと言われる理由が分かっただろう担当者さんは、「差別化されるというか、完全に携帯がなくなってしまうことは今のところ考えられないですが、そうなるとしても遠いことだと思うし、その頃にはスマホの操作性もさらに良くなると思いますから、そのとき始められても充分お使いになれると思います。困られたときには、こうして来ていただけばお教えしますし…」と、「とりあえず、今は携帯使っとけば?」という内容の、相手の立場も考えての満点の対応をしました。「最初から最後まで、なんて完璧な受け答え。マニュアルどおりだとこうはいかないわよね~」と、思わずスタンディングオベーションをしたくなる私。
で、その結果どうなったか…。買われましたよ、スマホ…。はい。買われたんです、スマホ…(しつこい?)。どうしても買おうと思って来られたから、それを貫かれたか、担当者さんの良かれと思っての「携帯使っとけば?」発言を、「年寄りだと思ってばかにして!(怒)」的にとられてそうされたのか(人事で聞く限り、そんな風な言い方ではなかったんですが)は、半分はパーテーション越しに、白髪が多目の後姿をちらちら見ているだけの私にはわからなかったのですが。席があいて私がその隣に座ったときには、とにかく、一言たりとも聞き逃すまいという感じで、一生懸命に話を聞いてらっしゃいました。あのお客様、今頃どうされているだろう…(遠い目…)。
ところで私の携帯は、土台というか、中枢部はそのままながら、タッチパネルは全取り替えで、ほぼ新品となって帰ってきました。そういうときのサポート代を払っていたおかげで、負担金はなくて助かったのですが、実は、私の担当者はこの前とおなじ人だったんです。私を見るなり、満面の笑み。「ご迷惑掛けました~。携帯、データも無事に戻ってきましたから~」と愛想よく言って、こちらが名乗ってもいないのに、帰ってきた携帯を探し出します。
「データも無事に」という言葉にひっかかりました。え~、え~。それは、例の待ちうけのことがあったからです。彼は、そんな意味じゃなく、ただ単に、パネルを取り替えただけで、他の問題はなくてすんだと言うつもりだったのかもしれないのですが、1週間前とはいえ、けっこうお客様もあるだろうに、しっかり顔と携帯がインプットされてるってのは…ーー;。
とりあえず、これからは、こういうの↑は見るだけにしときます……。