『冬の色』
”君にわがままを言わせたい
君を甘やかしたいんだ
そういうの したことないでしょ?”
息継ぎを忘れたように 早口で言ったひとは
急にうつむいて 息を吐いた
とまどううちに 冬の色
その前に立ち 顔をうずめた
肩先に 冬の音
そっと その背中を抱いた
包み込むように―