『光と風の間(はざま)で』総本家

総本家なんで、あれこれあります

妖怪ストリートへ ヨン

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 ちょっと失礼な言い方ですが、「記念館」にはありがちな玄関を入っていったそこも、やはり老若男女の溜まり場でした。ここに来て、この記念館に入らないというかたはそうはないと思うので、当たり前といえば当たり前なのですけどね…。

 順路は、水木先生の経歴が紹介されたり、先生のインタビューシーンを納めたVTRが流されていたりするコーナーから始まります。ここで思うのは、水木先生がいかに遅まきの花であったかということと、おちびさんの時から、なかなかのヤツだったらしいということです。何せ、一番最初にしゃべった言葉が、自分が床の中でやってしまった粗相を、猫のせいにする言葉だったらしいですから…^^。

 面白かったのは、妖怪たちの略歴です。あのねずみ男が結婚詐欺でだまされていたとか、砂かけババアは、茶飲み友達の子泣きジジイが若い女の子にやさしくすると焼きもちを焼く…とか、鬼太郎のお母さんは、妖怪族の目玉オヤジと結婚してしまったことで地獄に落とされ、今は地獄で虫の世話をしている…とか。そうそう。実は鬼太郎は既婚者だった…というのにも驚きました。知ってました? 

 ほかに、妖怪たちの洞窟や、京極夏彦さんプロデュースの中庭などもあったり、先生の本を自由に読んだりできるコーナーもあったりしたのですが、この記念館で出会って一番驚いたのは、水木先生の原画でした。あまり長くその前にしがみついているわけにもいかないので、時代を確認しなかったのがくやまれますが。

 「ゲゲゲの女房」を見ておられるかたは覚えてらっしゃるでしょうか。編集者に、「雑誌になってしまったらつぶれてしまう」と指摘された部分を、「そうでしょうなぁ」といいながら、丁寧にやり続けるというシーンがありました。

 その原画も、なるほど丁寧なものでした。でも、そのことじゃないんです。型にはまらない、おおらかで破天荒な方という印象を持っていた先生の原画から、とても秩序正しいまっすぐな、とんでもなく強いエネルギーを感じたんです。すんごいです。この間見た3Dみたい…って、見えないんですけどね、これは…。

 有名作家さんの生原稿や、こういう原画に出合うのは初めてではありません。「館」が好きなやつなので、むしろ数を見ている方かもしれませんが、そういう感じがしたのは初めてのことでした。…って、ただ私がそう感じたってだけなんですけどね。

 あれこれ楽しんで、あまりの暑さ(最高気温35℃)に、ずっと来たがっていた母でさえ「もういいわ」と言い出す中、一説には先生自体がご神体だと言われる妖怪神社(観光的に作られた小さな神社で、手水を使うところには、目玉親父が回ってます)にもう一度寄っておみくじを頂き、駅に戻りました。

 朝いちですっころんだところから始まって、思いがけないことにもであった、この小さな旅もこれで無事に終わりだ~…と思いながらホームに出たら、あんなに青かった空が一気に真っ暗に。それどころか、妖怪列車が出ると、今度は雷鳴とともに土砂降りの雨が降り出しました。さらに米子駅…いやいや。ネズミ男駅に着く頃には、とんでもない稲光と雷鳴が…。

 「今の落ちてるよね、雷…。雨にも雷にもあわなくてよかったね」と言い合う中、降りた駅は、まだ夕方なのに真っ暗じゃないですか。駅に落ちてたんです。最後はコレかい…ーー;。






(最初の画像は、記念館の前。2枚目は座敷童。三枚目は一つ目小僧。ヨン枚目は、べとべとさん(夜道を一人で歩くいていると、ひたひたという音がする。その音を立ててついてくるのが、これ。いたずらする気だけど、「お先にどうぞ」というと、「ありがとう」と去っていくというちょっと可愛いとこもあるやつなんですって)。そのあとは妖怪神社の手水。最後は駅の前にある先生執筆中の像です)。