『光と風の間(はざま)で』総本家

総本家なんで、あれこれあります

とどまる想い

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 実は昨年、思わぬことがありました。母と京都のあるホテルに宿泊していた夜のことです。夜中12時前後から、ベッドを引きずるような音や、壁を引っ張るようなえらく派手な音が隣の部屋からし始めたんです。

 「この時間に何だかな~」と思っていたら、その音はどんどん派手になります。そちらの壁に耳を当てれば、振動さえ聞こえてきそうなくらい。どうしよう…と思いながら、私はなぜか眠りについてしまいました。

 入れ替わるようにして起きたのは、先に寝ていた母です。私の感じていた音からすると、かなりの音だったはずですから、あたりまえといえば当たり前なのですが、私が眠り込んでいるのを見て、こいつには神経というものがないのか、と思ったらしいです。その音は延々と続き、とうとう床まで振動し始めた…らしい。遠い私の記憶では、それは板を打ち抜くドリルのような音だったように思います。

 さて、母は困りました。とんでもない床の振動の中、トイレに行ったという勇気はたいしたものですが、これで寝られるわけはない…という感じ。フロントに電話しようにも、かたわれは死んだように寝ているし、この格好ではフロントの人に来てもらうのもはばかられる…というので、そのまま夜明けまで耐えてしまったようなんです。

 やっと目覚めた私に、「工事でもしていたのだろうか。こんな不愉快な想いは初めてだ」と母。隣に宿泊客がいるのに、そんなことをするわけはないよな~と思いながらそっとドアを開けて外を見ると、新聞が届いています。向かいにも、その部屋と逆の部屋にも。その向こうにも。で、そこにはないんです。つまり、宿泊客はその部屋にはいなかったということです。

 その時、ちょっと頭をよぎったことがありました。でも、母を怖がらせるのもどうかと思い、そのことには触れませんでした。

 結局、チェックアウトの時に、「昨夜かなりの騒音で眠れなかったんですけど(母は…^^;)、工事でもありましたか?」と聞いてみたのですが、「いえ。夜はそんなことは…。それに、工事はないはずです。どうしてでしょう。確認してお知らせします」ということだったんですよね(いまだにお知らせはありませんけど…ーー#)。

 そこは初めてのところでした。知り合いから、「出張のときにいつも泊まるホテルで、施設もサービスもとてもいい。宿泊代もお手軽だから、一度泊まってみたら?」と教えてもらったところ。確かにこれはいい!と思うことが多くて、いい印象を受けていたのですが…。

 帰り道、母はとうとう私が思っていたことを口にしました。「もしかしたら…」と。でも、自分でもそう思っていながら、何かしっくりこなかったんですよね。考えてみると、むしろ、ほんとに工事をしていた…という感じ。ただ、本当に工事だとしたら、相当怒って作業をしてたみたいだわね、とは思いましたけど。

 時間がたつと、作業をしていた人のそういう「念」とでもいうような強い想いがそこにとどまっていたんではないか…と思うようになっていったのですが、それを裏付けるような本にこの間、出会ったんです。

 いつものように、本屋さんの店頭で出合った本です。その中に、幽霊の正体として、そこにいたことのある魂の強い「想い」が延々とそこにとどまって、それを感覚の強い人が「像として感じて」しまうという話があったんです…(残存思念)。

 「ああ。やっぱりこれだ」と、その時のことを思いました。考えてみれば、母の一族は予知夢を見る「女性」が多い家系で、母自体もそうなんです。そして、違うタイプながら、私もどうも「そういう傾向」があるらしい…ーー;。となると、そういう二人が「想い」の強く残っている場所にいれば、そういうことがあってあたりまえだったのかもしれない。そう思うと、「あ~すっきりした」と思えました。

 そういう人は、そう感じたときは、階を変えてもらうことを含めて、やっぱり部屋を変えてもらうといいそうです。でも、できれば、悪さをされるわけではなくても(ただの「念」ですからね)、できればそう感じるホテルは避けた方が気持ちよく過ごせる…ということらしいですよ。もしそういう経験のある方があれば参考になるかもと思い、記事にしてみました。いいホテルだったんですけどね~ーー;。