私は、「何故鳥取の多くではあずき雑煮を食べるのか」を、「あずきが貴重なものだったから…」だと長い間信じていたけれど、違う説を知ったと昨日書きました。
まず、雑煮っていうのについて説明すると、「煮雑(にまぜ、と読むらしい)」というのからきているんだそうです。古来からその地方で収穫される作物で作られる煮物、という意味らしいんですね(それほどに鳥取であずきだけが良く取れていたかっていうと、実は?だったと今になってみると気がつくのですが…)。
今年の年頭に、何で読んだのかは覚えてないんだけど、「鳥取のあずき雑煮は、実は韓国でお祝いごとなどのときに用いられる(今はそうでなくても、普通に食べられるお店もあるらしい)シルトクからきているのでは?」という話を読んだんです。
私は、シルトクを頂いたことはないので、ネットであちこち検索してみると、「もち米の粉に砂糖を加えて蒸しあげたもので、ふわふわとした食感が特徴。餅というよりも蒸しパンに似ていて、甘さはかなり控えめである」と書かれていました。「最も親しまれているシルトクは、甘くないあずきと餅を層状にした、パッシルトク」ともされていて、「あっ。これのことだな」と思いました。
あずきには病気の鬼神を追い祓う力があると信じられているとも書かれていましたから、年頭にそれを食べるというのは、理にかなってる!…っていうか、これまで聞いた「何であずき雑煮を食べるか」という疑問に、いちばんぴったりした理由だと思えたんですね。そういえば、ずっと前に、あずきは弥生時代に韓半島から伝来したものと聞いたこともありました。
シルとは、遠い昔から韓国で使われていた調理道具で、土で作った蒸し器らしいです。それで作ったトック(おもち)ということですね。最初はこの中にお米や穀物の粉を入れて蒸し、ご飯の代わりに食べたということですが、このシルが頻繁に使われるようになったのは高句麗で、らしいんですね。そう。今の形でないとしても、その原型になるものを食べていたのでしょう…。
遠い昔高級食材だったお米が常食されるようになり、トックが根付き、そして魔を払うといわれるあずきを食べる習慣も、海を渡った山陰で根付いたと思うと、遺伝子が同じと言われる海の向こうと近い感じがしてきます。
ちなみに、タイトルの「シルトギ チョアヘヨ?」は、「シルトクは好きですか?」。調べている途中で、この発音まで教えるサイトに出会い、タイトルにしてみました。召し上がった方がいらしたら、ぜひ感想を~。