2008-09-20 かけだせば夏 素描(デッサン) #詩 『かけだせば夏』 山へ行っているはずのひとが 突然あいにくるという ”山間の茂みの中 たった一輪 姫百合を見つけたんだ” そしたら たまらなくあいたくなったと 受話器の向こうのひとはいった いつもの足取りで きっとあなたは歩くから ぼやぼやしてたら この家の前 どんどん過ぎていきそうで 急がなくては 急がなくては せめて 心だけは 置いてきぼりを くわないように さえぎる遮断機 行き交う車両 はずむ息の向こう側 大きく手を振る わたしの姫百合をみつけた