『光と風の間(はざま)で』総本家

総本家なんで、あれこれあります

こ、これって…^^; その6

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 一気に書き上げるはずが、ちょっとばたばたして日にちが空いてしまいましたが、出雲大社特別拝観の続きです。

 特別拝観は、1度に20人くらいが呼ばれます(名前じゃなく、「ここからここまでの方~」って感じですけどね)。で、段々前の席に移っていくのですが、それまでに、「本殿では写真を撮らないこと」とかの注意事項の説明があったりして、順番を待ちます。そうそう。ジーンズやノースリーブ、突っかけのようなものでは、拝殿へのお参りはだめですというようなことも書かれてもいましたね。一応礼を正した服装で、ってことなのでしょうか。

 私はそれまでの時間を、テントの中の様子など撮って過ごしていたのですが、携帯(電話)を取り出して撮り始めると、お隣さんもすぐさま携帯を取り出しました。それまで誰もそんなおバカなことをしていないから撮れずにいたのかもしれませんが、「実はもっと前から撮りたかったんだ~」とばかりに、写真を撮りまくったお隣さんは、高校生の男の子です。

 何で高校生のってわかるか…と思うでしょ? だって、学校の制服を着てるんだもの~。夏休み。自分の意志で来る学校以外のところに制服で現れる子って、はじめて見た気がします。もしかして部活帰りかもしれないけど、だとしても、部活帰りに出雲大社の特別拝観に一人で来るっていうのも、かなりに枯れた趣味ですよね…^^;。

 ちょうとその子までが一区切りとなり、私の順番が来ました。ぞろぞろとみんなで門をくぐると、砂利の敷かれた敷地の向こうに本殿の建物がまじかに見えます。スーパーのレジ袋のような袋を渡され、靴を脱いで上がるのは、一段の高さがかなりある階段。杖をつかれた80代くらいの女性もおられましたが、あの階段はかなり大変だったでしょう。神様のおうちの階段なので、それもしょうがないのかな。

 建物としては、そう驚くものではありませんでした。お寺なんかで、本堂より高い位置にある観音堂とかがありますよね。そういうのと、そう変わらないつくりに感じました。ただひとつ「?!」と思ったのは、建物の外側の梁のようなところすべてに、剣山の様な大きな針…というか、とげというか、そういう感じのとがったものが設えられている…ということでしょうか。どこかの武家屋敷で、侵入者を排除する為にということで、同じようなものがあるのを見たことがある気がします。いわば「魔返し」(?)とでもいえるものなのでしょうか…。

 高い拝殿の回廊から見える風景も、正直に言って予想通りでした。さっき話のとおり、高い位置にある観音堂(阿弥陀堂でもいいのだけれど)から見える風景はこういう風だというのと、そう変わりはなかったですね。ただ、一般人は60年に一度しか入れない所だ、ということが違うだけ…。

 そして、みんなで座るように指示され、制服君と並んでそこに座ると、お待ちかねの「八雲の図」が見えました。彼もしっかり覗き込んでいます。その天井の一部に描かれているのだろうと思い込んでいた「八雲の図」は、実際は天井いっぱいに描かれていて、けっこう大きい。それも、ほんとに鮮やかな色なんです…@@;。

 それを眺めながら、この「八雲の図」は、今の拝殿が出来た1744年から一度も塗りなおしたことがないということや、八雲の図とは言われるけれど、実は7つしかないということ、さらに、そのうちの6つは東向きなのに、ひとつだけ西を向いているという話(理由は不明とのこと)、そして、神様がいらっしゃる所の真上にだけは雲は描かれていないというようなお話を神社の方からうかがいました。

 そういえば、私が行ったすぐあとで、はじめてテレビが入ったとかで、本殿の内部の様子がNHKの総合テレビで流されていましたが、そのなかの説明の一部が、私が本殿で聞いたのとは少し違っていましたよ。

 NHKの放送では、雲の数が7つである理由は神社でもまったく分からないということでしたが、私がそのお話をうかがった時は、「8という数は、それ以上はないという完全な数。日本人の美意識として、あとがないその8の一歩手前の7つの雲を描くことで、これからの繁栄や平穏を願う意志を著したのではないか」という話をされていました。8っていう数は、まるでタロットの「世界」と同じような意味なのね~と思ったので、そのことを覚えていたんです。もちろん、それが間違いない理由だという説明ではなかったんですけどね…。

 そして、私は制服君とともにふたたび階段への回廊を歩き出したのでした。


(一枚目の写真の欄干の所をめぐりました。それから、どこで拾ったのか忘れた、「八雲の図」の一部です。確かにこれくらい鮮やか…。いえ。実際のほうがもっと鮮やかだった感じもします)