『晩春』
あなたは つよいから つづけられるのと
ひとことだけ残し
夢を手折って 彼女は
遠く 嫁いでいった
つよいから じゃなく
やめる勇気 ないだけと
いえぬままに 時はすぎて
彼女からの 手紙
今が 重い あの頃に帰りたいと
幾度も かいていた
たぶん ため息 しみついた
四つ折りの紙に 月模様(もよい)
選んだのは あなた
決めるのも あなた
なにも いえない
わたしには…
電話もいいし
メールもいいけど
泣きに おいでよ
笑いに おいで
ちがう想い
受け止められる くらいは
おとなに なれたから
ともだちじゃない…