『光と風の間(はざま)で』総本家

総本家なんで、あれこれあります

ニュアンス・ロマン2

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 「コピ・マシ・ミョンソ」に収まっている、『ニュアンス・ロマン』の続編です。この『ニュアンス・ロマン』では、前に見た印象的な夢の話を書きました。実は、まるでストーリーのような忘れられない夢が、もうひとつあるんです。

 その夢の中で、私はかなり古い時代のヨーロッパの娘のようでした。それが、親の借金のかただか、何かの家の都合で、不気味なお城の領主様のところに、お嫁のもらわれていくのです(ドラキュラのお城と言われてるのは、どこの国でしたっけ。あの感じにとても似ていたんですけど…)。
 
 その領主様は、フランケンシュタインのように顔にいっぱい縫い目のある人で、とても残酷で、笑顔ひとつ見せない恐ろしい人でしたから、最初は私も毎日泣き暮らしていたのです。
 ところが、その恐い人が、ほんとは心淋しく、優しい所のある人なのだと、だんだんにわかってきて、まるで、殺し屋のようなおっかない家臣たちに囲まれつつも、「これもひとつの幸せか」と思うようになっていったんです。

 ところが、ある時、その城を旅の芸術家が訪れました(音楽家だったか、絵描きだったか…、どちらかだったと思うのですが、今でははっきり思い出せません)。その人を前にしたとき、「私がずっと探していたのは、この人だ!」と思いました。でも、どうすることも出来ません。夢の中の私は、「あきらめたとらわれ人」状態なのですから…。

 ところが、彼は私に向かって言うんです。「君は、ここにいてはだめだ。一緒に逃げよう!」と。私は迷いました。私が逃げた後の家族のこともありましたが、何より、私をそれなりに大切にしてくれているあの領主様を裏切ることが出来ないと思ったからです。それでも、彼についていきたいという想いも捨てきれない…。
 
 彼は問答無用で、私の手を引き、駆け出します。引きずられるようにしてついていくと、そのおっかない家臣たちが追いかけてくるじゃないですか。領主様は、鬼の形相。これまで見てきたことからすると、捕まれば、私達が惨殺されるのはわかりきっていました、逃げるしかありません。

 ところが、彼は何を思ったか、長い螺旋階段を地下に向かって下っていくのです。それも、その階段沿いにある部屋のドアをひとつひとつ開けながら…。そんなもん開けずに逃げた方が早いのに…。それも、地下に行ってどうする~。逃げ場はないぞ~と思うのに…。
 そして、ついに最後の地下室のドアを。それは、逃げ場のない終着点。ふたりの最期の場所のはずです。ところがー。なんとそこは屋上で、目の前には真っ青な空が広がっていて…。

 なんじゃこりゃ…と、夢を見ている方の私は思いました。それで目が覚めたのです。ところが、夢で彼につかまれていた手首が、本当にさっきまで強くつかまれていたかのように、しびれて痛いんです。ちょっと気味がわるかったのですが、もしかして、自分で手をつかんでたりして…(笑)。

 そのことを考えていたわけでもなかったのに、今日不意にこの夢のことを思ったんです。さらに、「もしかして、この前書いた夢の二人(真如堂のお坊さんと、リヤカーの彼)と、この彼は同じ人なんじゃないかしら。そして、私は今もこの人を探し続けているんじゃないかしら」、と。何でなのかわからないけど突然ね…。

 それも、夢の話なのにね~^^;。