『光と風の間(はざま)で』総本家

総本家なんで、あれこれあります

卒業

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                     『卒業』
          
                 改札口にいそぐ 人波に
                 肩を 押されながら
                 降りてくる 人たちのなかに
                 そのひとの すがた みつけた

                 いつもの笑顔 
                 手を 上げるしぐさに
                 会釈だけで こたえた

  
                あの日 並んで ホームで待った
                 口もきけないひと
 
                 とんでいく 緑
                 窓からの 狂おしい風
                 ときどき ふれる肩
                 混じる ほほえみ
                 とぎれとぎれの 会話

                 同じ駅に 降りたつ
                 背中ばかりを みつめてた

  
                もう 一度って
                 改札口で ふりむけば
                 人波に みえかくれする
                 そのすがた ふりきれなくて


                 追う!
                 追う!


                 なごりの 雪のまち
                 ころがりながら
                 ぶつかりながらー