君のかおり

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 出先で、制服姿の高校生達に会いました。部活帰りでしょうか。あるお店への階段に座っていたんですね。「おい、おい。そこに座らないでよ」と、内心思いながら、私が階段の前に立ったとき、四人いた女の子たちの1人が、急に立ち上がり、私の前をタッダッタッと通り過ぎて行くじゃありませんか。

 その店のドアを開けながら、反射的にそちらを振り返ると、彼女は、やはり階段に座っていた1人の男子高校生の前に立ち、手巻き寿司を一本、突き出しているじゃありませんか。「なんじゃ、それ…」。
 
 中に入っても気になって、窓越しに二人を見ると、彼の方は戸惑っている様子。彼女はうつむきがちで、何か言っているみたい。そして、しばらくして彼は、黙って(あるいは、口先でぼそぼそと何か言ったのかも)、手巻き寿司を受け取りました。その途端、彼女は友達の所には戻らず、逃げ出すように駅のほうに駆け出していきます。
 
 ぼーっと、手巻き寿司を眺める男の子。彼は、そのあと自分のショルダーバックにそれを放り込み、やはり駅のほうに歩いていきました(彼女の友達達に、様子を見られてるから、そこにはいづらいよね…)。

 彼女、「お腹すいてるでしょ。食べなよ」とでも言ったのかしら。何でそれを差し出されたのか、わからないらしかった彼(何で、手巻き寿司なのか、私にもわからん。しかし、何故だか手巻き寿司…)。付き合ってる感じじゃなかったから、ひそかに好きだったのかも。

 迷惑な連中だったんだけど、なんか見ていてほのぼのしちゃった。彼はあの手巻き寿司、どうするんだろう…。どっかで、そ~っと食べるのかなぁ…。偶然だけど、うちも今夜は、テイクアウトの握り寿司です。






                  『君のかおり』

                           
                  初めて 君と 向かい合った日
                  初めて 君と 話した日
                  
                  ふれた かおりが 想い出になる
                  きっと ずっと わすれない

                  君の かおりー