導火線(この前から、見事にネタばれ)

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 昨日の『四月の雪』は、ほんとにすっきりとみました。こんなにすっきりした気持ちで、この映画を見ることが出来るとは、想いもしなかった…。たぶん、ストーリーの流れをしらないことでの戸惑いがなくなったり、監督の手法を少しは理解できてきた所が大きいのでしょうけど、これで終われないのが、この映画の恐さのようにも思います(「七色映画」だから…)。

 さて、今回私は、インスの慟哭の意味を探すつもりでした。実は、最初から引っかかっていた部分なんです。↓のコメで書いてくれてるように、ひとつの理由で鼻水たれるほど泣いたわけじゃないとは思うんですね。これまで、いろんなことを飲み込んで、耐えてきたあれこれや、「いったい自分のこれまでは、なんだったんだろう」というような想い…、そして、途方に暮れる、妻とのこれからのこと、もちろんソヨンのことも考えたでしょう。そういうもろもろの想い全部が流れ出したからだった…。ただ、それが一気に流れ出すためには、導火線がいる。その導火線がなんだったのか、それを知りたかったんです。

 私はシナリオを読んでいません。映画は上映されたものが完成品だと思うので、よっぽど興味を引かれることが出てこない限り、これからも、読まないと思います。だから、映画で感じられるものだけが、手がかりです。そのなかで、ちょっと思うことがありました。

 インスとソヨンの2度目の「逢瀬」のとき、インスは「もっと前か、もっとあとに会っていたら…」と言うようなことをつぶやきなましたね。つまり、↓で、チラッと書きましたけど、「そうじゃないから、どうしようもない」ということを暗に言ってる。ソヨンに、「わたしたち、どうなってしまうの?」といわれても、甘い言葉を吐くわけでもなく…。インスは、優柔不断なようでいて、このときにちゃんとひとつの決断をしているじゃない、と思いました。ここ、ポイント!

 夫の葬儀のあれこれを終え、サムチョクにもどってきたソヨン。ソウル行きのバスに乗らなかった彼女が、喫茶店から、窓越しにインスを見ていたとき、彼女は泣きながらメールを打っていたという話がありました。確かに、ポチポチという感じの音が私にも聞こえました。インスが泣き出したとき、携帯を手にしていたし…。で、これ、採用!
 
 では、ソヨンは、誰にメールを打っていたのか、というのは、言うまでもないですね。で、結局送らなかった、という考えもあるでしょうが、それだと、インスがあれだけ泣くについては?です。そうなると、彼があれだけ泣くための導火線の手がかりが、その中にあるはず。彼への想いとさよならの言葉を綴って送ったというのが、まずひとつ。

 自分ではどうしようもないままに、『それ』が、終わった。そのことが導火線になったという考え方。自分の分身のようだったソヨンが去った後、1人になり、そして、ここまでの出来事を背負って、これから生きていく自分。整理でききれないあれこれー。そういうものが、あふれだしてしまった…。

 もうひとつは、少しソヨンにきつい見方かとも思いますが、あきらめきれず、「いつまでも待ってるから、もう一度会いたい」というメールを送ったという考えです。インスが、それに応えなかった(あるいは、「そうは出来ない」と返した)とすれば? インスは、前に一度そういう決断を下しているのだし…。

 ソヨンに応えない決断をするというのは、あのインスにとって、特にあのときのインスにとって、どれだけ辛く、重いでしょう。それまでのやりとりかれすれば、行っちゃった方が当たり前(お互い泥沼にはなるけれど)。でも、彼はそれを無理からに断ち切った。それなら、導火線となるのには、十分かもしれない…。そして、店がしまるまで待ったソヨンが去っていく…。

 そのどちらなのか、はたまた別の何かがあるのかを読み取るつもりだったのに、なんかねぇ…。こなれすぎちゃったのよ、昨日は…。楽しんでしまったの、全体を…。「あ~。わかった。つながった(頭の中が)。面白かった~」って…。もう一回みないと、わからないよ…(涙)。
 
 炊き込みご飯が炊き上がるのを待ってたのに、スイッチが入ってなかった、って感じの話でごめんね。でも、この辺、どう思いますかって、一回聞いてみたくて…。他の説もあれば、聞かせてくださいまし。