そして春へ

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 映画『四月の雪』について、私には、どうももやもやしたものがありました。これが、解決できないと、前に進めないというか、目の前のスクリーンに集中できない。監督のあれこれをもっと楽しめない。私にとっては、自分で作ってしまった関所みたいなもの。

 それは、主役のインスとソヨンの関係について、です。公式サイトでもいろいろ見せていただきましたが、私には、どうもすっきりしなかった。歳のわりにオボコいせいか、この二人の想いが私にはどうもいまいち、納得できなかったのです。

 あれこれあって混乱していた気持ちが落ち着いてきた今、突然「わかった!」と。私、なんについてでも、いつもこれを待ってるんですね。そういうものが見えたら、迷いなくゴー!です。これからは、もっと自由に見られそうです(見方も変わるかも)。

 で、ちょっと今現在の想いを、お話してみようかなぁと思います。たとえ気に入らなかったとしても、200万人いれば200万通りあるなかの一つの見方だと思って、許してね(汗)。

 実は、↓のコメで書きましたが、この映画を見た友達が、「思い出した」と、ある経験を話してくれたのが、それがわかりだしたことの始まりでした。それは、病院どころか病気に全く縁のなかった彼女のご主人が、ある真夜中、突然七転八倒したときのこと。

 混乱した頭で、思うのはよくなことばかり。救急車で運ばれた病院で、当直の先生は、てきぱきと処置をこなし、とてもよい対応をしてくださったんだそうです。それどころか、動揺する彼女を、「ご主人は(これこれ、こういうことで)大丈夫ですよ。ご心配なさいましたね」みたいに、励ましてくださった。彼女、思ったって言うんです。「素敵!」。

 言っときますが、彼女軽薄な女じゃありません。「そういう部分」では、普通の感覚を持った人。「わかってるのよ。それどころじゃないってことは…。でも、とにかくそう思ったの。だからね、こういう究極の場合、確かに何があっても不思議じゃないなと思った」。夫がどうなるかわからないという混乱。先生以外、誰も頼る人がいないという不安。その中だったからこそ、思ったこと。そして、「後で落ち着いて見たら、トッちゃん坊やみたいな先生でね…」(爆)。

 その話を聞いて、思ったんです。「ゲレンデの恋」みたいって…。ゲレンデだから、素敵に見えた。でも、街で逢ってみたら、あらららら…。で、ふっと、この二人もそうなんじゃないかしらって…。
 言ってみれば、スジンさんたちというのは、ある意味、「純粋な不倫」です。たくさんの中から、相手を選んで付き合ってる。でも、インスとソヨンの場合には、選択肢はなかった。お互いしか…。同じ痛みを共有できて、お互いの傷を一番理解できる相手…。それは、そこにいる、その人しかいない…(これはこれで、十分に切ない)。

 そう思い始めたところに、昨日のリュウ君の話。その中で思ったんですね。インスは、本当にソヨンがタイプだったのか。ソヨンは、本当にインスがタイプだったのか、って…。あのときだから、ひきあった関係だったのでは…? で、「そうか、これは究極のゲレンデの恋だわ!」。
 
 私は、これからの二人の恋はないだろうと思います(あっ、石ぶつけないで~)。お互いの傷がいえたとき、果たしてあのときと同じような情熱を相手にもてるのか。私は、否と言います。新しい関係も築けるという人もいるだろうけど、お互いの伴侶が不倫してたという現実から、たぶん、あの不器用なインスはずっと逃げられないと思う…。 突きつけられる現実は、結構重い。それに比べて、ソヨン。あの若さ。あの率直さー。

 ラストで、電話をかけたのは、ソヨンだと私は思いました。1年かけて立ち直ってきたインスの方は、ソヨンとちゃんと付き合ってみたいという気持ちがなくはなかったかもしれない。「どこに行きましょう」で、いつかの海に…。そこでソヨンが語ったのは、「私、来月結婚します」(私、これで愕然とした男の子、実際知ってます…涙)。

 そのときのインス…。哀しすぎるよ、その笑顔…(勝手に想像)。