『光と風の間(はざま)で』総本家

総本家なんで、あれこれあります

置き忘れてた玉手箱

クラクションに 追われて

『クラクションに 追われて』 雨模様の 夕暮れ 駅前のロータリーを バスが 回ってく 窓に 顔よせ ほほ笑む顔に 私は 大きく 手を 振った 不思議ー なぜ 誰かの前では あふれる自分を やってられるんだろうね 倒れれば 今 起き上がれそうにも ないくせに こん…

『冬』 ぬくもりがほしい ぬくもりが ほしい… カップ一杯分で いいから ベッドに ころがって 果てなく この手 のばしても 口づけるのは 空(くう)ばかり 死ぬほど 涙 ながせたら まだ しあわせなのに 泣きかたさえもが もう わからない ぬくもりが…ほしい… …

無題

声を ころして 泣く夜は ふかない 涙 おとすのは やっぱり やみ夜の ほうがいい

改札口Ⅱ

『改札口Ⅱ』 先を急ぐ人波に さからうように たちどまった あなたが すこしだけ ほほえみを のこして きえた もう いいよ、ね いっても いいよね ほんとうは ほんとうは なきたいほどに あなたがほしい いかないで いかないで ひとりぼっちに なりたくないよ

ターミナル

『ターミナル』 置いていくのは あなたの方だから わたしは すこし 気楽です 夢に 向かう その姿 いつまでも 見ていたかったけど ざわめく 雑踏の なかで にぎりしめている この手の ぬくもりだけが すべて もう はなすこと 何もないから 気づかれないように…

東京Ⅰ

『東京Ⅰ』 川に沿うように 歩いてたひとが 不意に 未来を 口にした 一度は 捨ててきたはずの 東京 その街に あなたは また もどるという もう 逃げたくはない 東京でなきや だめだ それで 息たえるなら それでいい やっぱり 東京なんだと 君にも わかる とき…

『指』 いつだって 約束の場所に ちゃんと 待っていてくれる 骨太なのに 華奢にみえる 肩の線が 好きだよ その影に さからうように 強い線の 指が 好きだよ 一緒に いるときの 笑顔が好きだよ 左腕に 感じる ぬくもりが 好きだよ それなのにー いつからか そ…

街路灯

『街路灯』 あなたに ’それは違う’と おこられそうで 口にできない ことがある だけど 思うよ いつも 感じるよ おんなが 夢を おうことは まるで 緋文字を 背負うこと ※緋文字…昔、遠い国で、姦通罪を犯した女性にだけ押された烙印だそうです。

やさしさの意味

『やさしさの意味』 さっきから 無愛想なことばが 受話器から ながれていて 私は けっこう 反抗的に それに こたえている あなたが ことばを えらんでいることに 気がついたのは いつだったろう それが どんなに 元気づけて くれるかに 気付かされたのは ど…

『川』 いつだったんだろう その場そのぎの 傘で 肩をぬらしながら 歩いたのは いつだったんだろう たえまなく つづく チャレンジを はなしてくれたのは あれは わたしに はなしていた だけじゃなく あなた自身に いいきかせていたのだと 今は わかるけど た…

長雨

『長雨』 手紙を 書く手が 三行目で とまる 何枚 書き直しても そこで たちどまる 不安なぶんだけ 言葉が おもい 焦りの ぶんだけ つくり笑顔が おおくなる そんな 毎日が 書けなくて

改札口

『改札口』 いつまで 見てても おんなじよ あと10分… 時刻表 見つめたまま あなたは じっと動かない ”夏は帰らない 帰るのは冬” そういったきりー はなしのこしたことが たくさんありそうで でも なんにも言葉か 浮かばない ねぇ さっきまで あんなに おし…

銀世界

『銀世界』 雪の なか 心のいろ 舞い降りる 雪たち 手のひらで むかえる わたしと 白いじゅうたんに ころがりながら あかるい 笑い声 たててる あなたと 今なら せんぶ からっぽに なれそう こんなにも こんなにも こわがりのくせに 今なら ためらわず すき…

舞夢(まいむ)

『舞夢(まいむ)』 席を立っては入れ替わる テラスの席の片隅で ”相変わらずだね”って あなたはいった ”がんばれよ”って ほほえんで 心の傷 みえないほど 遠くなった人が いった ”女ならやめなさい そんな夢追うこと きみに ふさわしい 夢がある” 呪文のよ…