『光と風の間(はざま)で』総本家

総本家なんで、あれこれあります

ある日の診察室〜ワクチンは手段〜

f:id:hikari2038:20210604111458j:plain



昨日、月に一度の母の診察日でした。予約ではあるんだけど、いつもより空いていて、何故かのんびりした空気が広がっています。

母が診察を受けている病院では効率化をはかるためか、診察を受けている患者さんの次に診察を受ける患者さんは、患者の皆さんがいらっしゃる待合室とは別の、診察室の中にある別の席に移るんですが、待合室よりは先生に近い分、患者さんと先生の会話も聞こえてくるんですよね。

「先生、(あの)ワクチンのことでご相談があるんですけど…」

80代後半から90代前半かなぁと思える、杖を突いて歩いておられた男性の患者さんに付き添っていらした60代くらいの女性が言われました。

要約すると、あちこち聞いてみると皆さんが受けると言われるし、(循環器の病気があり、高齢の)父にも、一般の接種の時に受けさせたいと思うんだけど…というお話だったんですね。

話はちょっとずれるんだけど、実はちょっと気になっていたんです。この病院は…というより、母が診察を受けている院長先生は、今回のワクチン接種のことをどう考えていらっしゃるんだろうということが。

母は、昨年秋の終わりから、5年に一度の肺炎球菌とインフルエンザ…と、立て続けに接種を受けていました。病歴のこともあるし、母は今回は受けたくないと言い、私自身も受けないことを決めていました。その旨を前回「どうしますか」と聞かれた看護師さんに伝えてあったんですよね。

話は戻って、患者さんご自身は何も言われず、その患者さんの息子さんのお嫁さんか娘さんらしい付き添いさん(打たせた方がいいという気持ちが強そうに感じた)の質問に答える形だったんだけど、それに対して先生はこんな話をされました。


まず結論からいうと、お父さんの場合打たない方がいいと思う。(「でも、父と同じくらいの皆さんもされているらしい」という話に応えて)そもそも、ワクチンを打つというのは、手段であって解決じゃない。ワクチンを打っても、絶対発症しないという保証にはならないんだから。(「でも、テレビでは大変な数の感染者が出ているからワクチンを打った方がいいと言っている」という話に対して)たくさんの人の体に入ったからと言って、全員が発症するわけじゃない。問題があるのは、発症してる場合だけ。ほとんど外出されないお父さんには、そういう人に接するリスクは少ないはず。さっきも言ったけど、ワクチンは、手段のひとつ。打たずに、外から極力入れないように気をつけるという手段もある。それも、結局は体を守ることにつながる。


世の中には、色んな考え方のお医者様がいらっしゃるらしいですね。今回のお話に思うことはあったけれど、母がこの先生にお世話になっていてとりあえずは良かったと思った、壁耳話でした。





こんなになってます〜’21野菜な話〜

f:id:hikari2038:20210528182100j:plain


この間アップしたトマトの話です。

苗をまっすぐに上に伸ばすのではなく、支柱の横のとこに沿わせてぐるぐる巻くように固定していっているんですが、まさか、亡き父が残していった園芸用の麻紐が、こんなに便利だったとは…。

茎が太る余裕を持たせて紐を一度交差させてから固定すると、こちらがほどこうとしないかぎりはほどけない。その安定感は、クリップ型のやテープでの固定とは比較になりません。そのくせ固定をはずのは、ホントに簡単。麻紐、最高〜! 少しだったから、今度また買っとこう。

ただ今実もついて、ぐるりと一回り。2段目に上がろうとしているところです。YouTubeで見たのですが、初めてついた花のすぐしたから出て来た脇目は、すべての脇目の中で一番強いそうで、本茎とは別に、その茎を伸ばすのもいいとのことで、それも落とさずに伸ばしているのですが、その茎は半分回ったところです。

何だかんだ思いがけないことに追われながらも、「伸び盛りの命」に元気をもらってます。


話は全然かわりますが、前に話したメドベッド。呼ばれ方はちがうみたいだけど、7月から全国の国立の大学病院で、難病の方から使用が始まるという話がでてきていました.。早い展開ですね。ほんとにそうだといいなぁ。

 ところでこのメドベッド、ペットにも使えるらしいです。将来は一家に一台となるいう話もありますが、そうなると、人の生き方も、ペット君たちの生き方も変わるかもしれませんね。

トマトのことは、トマトに聞け!~’21野菜な話~

f:id:hikari2038:20210517165617j:plain




 少し前に、闘病中の亡き父との会話から、毎年育てるようになってしまっているトマトの苗を植えました。今年は普通見るのより小さめの、中型トマトです。

 今年わが家では、取っ手がついたプランターを使ってみることにしました。プランター自身が軽いので移動しやすく、よけいな水分が外に出てしまうという特徴を持つ、「不織布プランター」。乾き気味な環境が好きなトマトには、最適だと思えたからです。

 ただ一つ、心配がありました。プランターが軽い分、強い風が吹くと転んでしまうのではないかということです。ところが、台風並の風が吹いた先日も、土が入った分どっしりとしたからか、まったく問題はありませんでした。いらないときには畳んで仕舞っておけるし、お安いし、これは結構すぐれものだなと思えます。今のところね。

 実は、このプランターのことを知ったのは、YouTubeの園芸チャンネルで、でした。大好きな野良猫の健太郎をはじめとする猫動画、あり得ないと思うような不思議な話、簡単お料理の動画、100均の造花を使ったフラワーアレンジメント、世相の話…。そして、園芸チャンネル。その園芸チャンネルのひとつで、不織布のプランターがあることを知ったんです。

 育て方もそう。いろいろ見かけた中に、朝顔などツルものを育てる用の三本の支柱にワイヤーがついているものを使って、トマトの延びた茎(?)を支柱に沿わせてぐるぐる巻き付けていくというやり方があったんですね。

 例年、ほっておけば手が届かないくらい高く伸びすぎてしまう枝を切り落とすのはかわいそうだなぁと思いながら切っていた私は、それを見て、これはいい!と思ったんです。

 具体的な方法としては、まずは苗を買ってきたパックのまま数日横に倒しておくことから始まります。茎は光を求めて上に立ち上がりますよね。そして、倒されたパックの下側にはふつうよりたくさんの根がしっかり張っていくそうなんですね。そうなったら、苗をプランターの中央にまっすぐに植えるのではなく、苗の側をプランターんの枠に沿わせて(根の側をプランターの中心に向けて)、倒れた形のまま植え付けるという方法なんですね(で、わり箸などを斜めに刺して苗が風などの影響を受けて動いてしまわないように固定しておく)。そして、伸びた枝はわき目を落としながらぐるぐる回るように支柱にだんだん固定していくということらしい。

 (最初、写真は植えた時のものをあげていたんですが、少しあとのに替えました。これなら、やり方がわかりやすいかなと。今はしっかりした茎?を一段目に二ヶ所固定できています。なら、それを撮れ? そのうちにね)

 実ができてそれが終わったら、そこから下の葉は新しい実に関係しないから、よけいな養分をとられないためにも、とってしまったらいいとか、終わったあたりの茎は、固定をはずして下に下げても問題ないとか言うこともYoutubeで学びました。
 
 その方法を紹介している動画はいくつか見たんだけど、そのなかに目から鱗の言葉があったんです。「トマトのことはトマトに聞け」。

 上に書いたような、伸びた茎(?)を切るのか切らないかとか、葉が大きくなるのは日光不足(逆に、葉っぱが日焼けしたり黄色くなるのは日光に当たりすぎ)だとか、葉っぱがそんなになるときはこういう薬剤を噴霧してみるといいとか、無農薬にこだわるなら、そういう葉は早めに落としてしまいましょうとかいうアドバイスをすることはこちらでもできるけれど、そのトマトどころか、置き場所の環境を実際に見たわけでもない。

 こういうアドバイスを参考にして、トマトにとって気持ちいい環境かどうかトマトの様子を見ながら調整するのがいちばん大事だというんですね。すなわち、トマトのことはトマトに聞け…という訳です。

 ああ、そうだよね、と思いました。園芸をやっている人のありがたいアドバイスを参考にするとしても、いちばん相談し、尊重するべきなのは本人。トマト。そして、それをいちばん見ていて、観察できるのは育てている自分。良かれと思ってやったことが、本人にとって気持ちがいいかどうかは、それぞれに違うかもしれない。こういうことって、植物だけじゃなく、いろんな面であることかもねと思ったりして…。

 とり合えずは、「どう? 調子は…」とか話しかけたりしてご機嫌を伺いながらながら、水やりをしているこの頃なんです。



 ※そうそう。このプランターね、トマト用に調整した土の入った袋にそのまま苗を植えてベランダなんかで育てるの、あるでしょ? あの土がほとんどはいるくらいの大きさです。ご参考までに。

遠い日の午後

f:id:hikari2038:20210513163850j:plain



それは遠い昔。ネットで頻繁に買い物をするなんて考えもしない頃のこと。

どうしても欲しい本があった。行ける範囲では 手に入らなくて、さらに、「古い本なので、注文しても入るかどうかさえわからない」とも言われた。

諦めそうになった時、うちから3時間ほど行った場所にある本屋さんならあるかもと教えてくれる人がいたんだ。

単独行動さえ少ない年頃のこと。さらに初めての場所で、地図を見ながらひとり必死で行き着いた場所に、その本はあった。待っていてくれた。

当たり前のように差し出された包み(いや、当たり前なんだけど)を、急に降りだした雨に濡れないように胸に抱えて駅まで走った。それは遠い午後のこと。幸せな午後のこと。

何てことない春の風景

f:id:hikari2038:20210504230953j:plain


快晴、大風、穏やかな雨の繰り返しのゴールデンウィーク。晴れ間まを待って草取りをしていていたら、庭の隠れた場所にある花壇に、山椒の花が咲いているのを見つけました。今年は少し少ない気がします。実がついたら、ちりめん山椒作るんだっ!(けっこう好きなんです)。


そして、大風で折れてしまった今年最後のポタンに添え木(というか支柱)をして、一花咲かせてやりました。うちのこ、可愛いでしょ。

f:id:hikari2038:20210504232244j:plain


小さな普通の風景です。







立ち別れ いなばの峰に

f:id:hikari2038:20210425181914j:plain
kentarosan




 実はよそでちょこっと書いたことなんですが、YouTubeで気に入ってよく見ているとこの「野良猫健太郎」が、数週間前からいつも餌…というより、ご飯を作ってくれている「おっちゃん」のところにあらわれていないらしいんです。何か、淋しくてね…。

 少し話はずれますが、誰かのことをどうしているだろうとか思っていると、当の本人が現れるとか連絡があるというのはよくある話ですよね。昨日は、帰ってきてくれないかなと思っている健太郎に関する情報を得る。そんな日だったんです。

 偶然耳に入ってきたのは、「最近の飼い猫の寿命は15歳くらい。20歳を過ぎる者も少なくなく年々延びている。対して野良猫には、気候の変動や猫同士の争い、交通事故や外来動物との戦いなどがあり、毎日食べられるわけでもないという食生活の厳しさもあって、寿命は3歳くらいだ」という話だったんです。5歳ぐらいとされている場合もあるようだけど、いずれにしても、飼い猫と比べるとはるかに短いようですね。ちょっとショックでした。


 健太郎が…とは思わないけれど、どうぞ過酷さと戦わずに早く戻り(?)、おっちゃんのご飯を食べにおいでと思わずにはいられませんでした。いや、わたしが勝手に、遠くに行っていると想像して思うことなんですけどね。

 そしてもう一つの情報。ネットでは、飼い猫がいなくなったときのおまじないを見かけたんです。これを実際にやられた方は、これをやると100パーセント帰ってきてくれると書かれていました。そうだ。そのあとでYouTubeの健太郎のアップを少したどっていたら、「おっちゃん」さんにこのことを伝えるメッセージを残している方を見つけました。かなり有名な方法のようですね。


   
  立ち別れ いなばの峰に生ふる
     まつとし聞かば 今かへりこむ

 

 1160年以上前の、在原行平が詠んだ和歌です。ネットを色々覗いてみると、この歌を書き、その子がいつもいた場所や玄関に、外から見えるように貼っておけばいいとか、いつも使っていた器をこの歌を書いた紙の上にのせておけばいいとか、全部を書くんじゃなく上の句だけを書いて器を伏せ、帰ってきたら下の句を書いてそれを燃やすとか、使われた方法はそれぞれあるようでしたが、この句を書いて「待ち猫」を待つというのはおなじで、100パーセントとは言わないまでも、かなりの確率で帰ってきているということのようした。

 今は後ろ髪を引かれる想いで因幡の国に(因幡守として赴任するために)向かうけれど、その因幡の国の峰に生える松のように、あなたが待ってくれていると聞いたなら、すぐにも戻ってきましょう。この歌は、そんな意味になるでしょうか(hikari意訳部分あり)。

 この歌を置いておくと(あるいはどこかに貼っておくと)、猫ちゃんが帰ってくるということは、猫ちゃんをこの歌の主と見立て、一刻も早く帰ってきてほしいと願う飼い主の想いを猫ちゃんが察して戻ってくるということなんでしょうかね。


 実はこのおまじない、猫だけではなく、別れてしまった人とか、なくなったものとかでも有効なんだそうです。戦時中は、出征された方のためにこのおまじないを使った方もあったといいますから、古くからあるおまじないなんですね~。
 
 いずれにしても、帰還する確率は高いというこのおまじない。もし猫ちゃんがいなくなって哀しい想いをしてらっしゃる方がおられたら、一度試してみられたらどうかなと思い、ここに書き残しておきます。

 なんかね~。いろいろシリアスなことが起こる毎日の中で、この話での人を思う(猫だけど)想いにうたれたんです。よしっ!、私もやってみよう。ここにだけど…。

 

  立ち別れ いなばの峰に生ふる
     まつとし聞かば 今かへりこむ 



 けんたろ~! 帰っておいで~!! みんな待ってるよ~。待ってるんだよ~。みんな部外者だけど…。